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細菌性髄膜炎アーカイブ

 発熱、嘔吐などを主症状とする病気で、小さな子どもさんがかかると抗生物質が発達した現在でも治療が困難な非常に怖い病気です。

 Hib(インフルエンザ菌b型)と肺炎球菌による髄膜炎は予防接種をすることによりかなりの確率で罹患することを防ぐことが可能となります。

 H12年4月からH22年3月までに東予東部(西条市、新居浜市、四国中央市)での細菌性髄膜炎の症例を集計してみました。結果11例のインフルエンザ菌髄膜炎、4例の肺炎球菌髄膜炎、2例のB群溶連菌髄膜炎が当地区で発症していました(図1)

 年齢分布では生後2日目から4歳までで、GBS症例は2日と10日の新生児、3ヶ月児では1例肺炎球菌、2例インフルエンザ菌、7~12ヶ月児では、2例は肺炎球菌、4例インフルエンザ菌、1歳2歳はインフルエンザ菌、4歳肺炎球菌でした(図2)

 性別では男児8例、女児9例で性差はありませんでした。幸いにして死亡例はありませんでしたが、入院期間は約1ヶ月間と長く後遺症としててんかん2例、難聴1例が認められました。

 日本ではH20年12月にHib(インフルエンザ菌b型、ヒブ)ワクチン、 H22年2月に7価肺炎球菌結合ワクチンが接種可能となり、H22年度から全国的に公費負担となりました。接種率の向上とともにインフルエンザ菌髄膜炎および菌血症は公費助成前のそれぞれ92%、82%の減少、肺炎球菌髄膜炎および菌血症はそれぞれ73%、52%減少しています。肺炎球菌感染の減少率が低く、H25年11月から先進諸外国と同様に7価から13価ワクチンに変更されます。

 是非、生後2ヶ月からHib、肺炎球菌ワクチンを受けましょう!!