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RSウイルス感染症アーカイブ

 RSウイルス(Respiratory syncytial virus)は1956~1957年に米国で分離培養された一本鎖RNAウイルスで、組織培養を行うと特徴的な合胞体(syncytium)を作ることからこのように命名された。
 RSウイルス感染症は、乳幼児における最も頻度の高い呼吸器感染症であり、生後1歳までに70%、2歳までにほぼ100%が感染する。中心的な病像は喘息と良く似た症候を示す細気管支炎である。
 4~5日の潜伏期の後、発熱、鼻汁、咳嗽などの上気道の症状で発症する。約70%の症例はこのまま数日で軽快するが、残り30%では、2-3日後感染が下気道に及び、咳嗽の増強、喘鳴、さらに呼吸困難などの症状を呈してくる。38~39℃の発熱が出現することがある。それらはさらに数日から1週間の経過で快方に向かう()。
 1歳未満、特に6ヶ月未満の乳児、心肺に基礎疾患を有する小児、早産児が感染すると、呼吸困難などの重篤な呼吸器症状を引き起こし、入院、呼吸管理が必要となる場合もある。
 治療は特異的なものはなく、対症療法が主体となる。一般的には喘息に準じた治療が行われる。

 家庭では、
1)呼吸が苦しそうな時は、背中をやさしくたたいたり、体を起こすように抱っこして上げて下さい。
2)鼻がつまっている時は、綿棒でそうじしたり、鼻水を吸い取って上げて下さい。
3)適度に加湿をして下さい。
4)病状の変化を見極めることが重要です。ゼイゼイ、ヒューヒューがひどい、胸やおなかをペコペコさせている、顔色が悪い、母乳やミルクののみが悪い時には小児科を早急に受診して下さい。

 こどもにとっても看護する親にとっても非常に怖い病気です。有効なワクチンの開発が望まれます。